函館中年ブログ

全てを抱いてくれる函館 お父さんなりに綴ります

2021年06月


人見線

物心付いた頃からこの沿線にお父さんは住んでいました。

一度引っ越しはしたけれど、どっちもこの近所だったので思い出がいっぱい。

小さい頃、冬になるとよく母親がソリにお父さんを乗せ、近所のスーパーマーケットに買い物に行ったっけ。

「カネシン」「十字屋」

カネシンではブルーチップという、今でいう買い物ポイントみたいな切手を小さくしたものを金額に応じてくれるシステム。

お父さんはそれを貯めて小さな携帯式の釣竿を貰った。

お父さんの家にはお風呂がなかったので、人見湯まで入りに行ってた。
その隣に「ブルボン」という小さなケーキ屋さんがあって、決まって「シフォンケーキ」を買って貰っていた。
当時80円。

フワフワでバターが香って大好きだったなぁ。

開店当時の店主はお兄さんというのが相応しく、とても無口で、幼いながらに職人さんと思っていた。

函館を離れて数年、しばらくぶりに帰函するとお店は乃木町寄りに移転して大きくキレイになっていたが、実家が湯の川に引っ越ししてしまったためなかなか行けないでいた。

2020.6.30に閉店してしまった…

同級生に聞いたらシフォンケーキは知らないとのこと

スーパーマーケットも人見湯もブルボンも人見線にはもう無い

帰る度に変わる街並み

部活帰りに見た明るい人見線に照らされたゆっくり降る小雪ぐキレイだった記憶が懐かしい。
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函館では6月1日にイガ漁が解禁される。

昔はイガ刺しは「丼で食べるもの」だった。
丼に入るものは、飯ではなく刺身。

しかも、下海岸の親戚から朝の5時過ぎに電話がかかってきて、朝イガを刺身にしたから取りに来いなんてことも度々あった。

そんな事は最近めっきり無くなったし、最近アホみたいな値段でスーパーに並んでいるイガを見る度に、悲しくなってくる。

昨年はこれでもかっていう位の大不漁だったが今年はどうなんだろ⁉️

専門家は「昨年よりは良いと言える程度だろう」なんて言っているが、専門家の言うことなんか当たったためしがない。

コメントするならもっと気の利いた言い回しを出来ないだろうか❓
お父さんは語彙力が無いので思い付かないけど。


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これは数年前に大門の居酒屋で食べたイガの踊り食い。

値段はあくまでも観光客向け
美味かったけど


これは10年ほど昔の写真。

8月の暑い日に、カメラを首から下げて大好きな住吉漁港辺りを歩いていたら、素敵なばっちゃんを見つけた。

撮影をお願いすると可愛らしい声で
「こんなババうづしでなぁすんのよ」と言い撮らせてくれた。
帰り際、「昆布けっか?」って。

貰った昆布を口にくわえてそこを後にしたなぁ。

ばっちゃん、まだ元気で昆布干してるんだべか?
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お父さんの通っていた小学校のすぐ近くにあったプラモデル屋さん。

小学校1年生の時、ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」が発売されるという情報を仕入れ、学校→自宅→あさひや
という独りマラソン大会のよう、全力で走った記憶がある。

店舗奥のレジに向かい、一列に並ぶ小学生
手にはプラモデル代金300円を握りしめ、欲しいものを言って買う先着順システム。

とうとうお父さんの番が来て、緊張のあまり指を指したのはガンダムでもなく、赤いザクでもなく、ジム

そこからあさひや通いは小学6年生まで続いた。

ラジコン大会にも出場し、何位か忘れたが入賞して、明らかに売れ残りであろう大きな軍用バイクのプラモデルを貰った。
最後まで作らず、その内どこかに行ってしまった気がする。

そして中学生になると部活を始めたので、足は遠のき、進学・就職と函館を離れ、帰省した時には、すっかり当時の活気も無くなっていた。


それでもまだ営業していたので、少し安心したような気がした。

この界隈も帰る度に変わる。

次の函館に帰る時は、小学校も無くなっているだろう。

とても寂しい


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